吉川史料館・館長日記
吉川史料館・館長の藤重豊が日頃思うことや歴史などについて書きます。
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「澄川喜一展 ー全ての原点は錦帯橋ー 」を観て
 6月25日でかけた。シンフオニア岩国開館20周年記念ということで催されている。山口県立美術館の12点の作品が展示されている。開催期間は6月21日~7月5日である。
 澄川喜一(1931~    )は、島根県鹿足郡六日市町(いまの吉賀町)生まれの彫刻家である。岩国工業高校を卒業のあと、東京芸術大学で学び、その後同大学教授、さらには学長をも務めた。いま岩国市の名誉市民である。
 自分でも述べておられるが、錦帯橋の美しさに魅せられて木彫に興味を持ったという。自然の素材を活かし、独特の曲線を「そり」と「むくり」で表現した抽象造形に、東洋的美意識の可能性を追求し、現代日本の代表的芸術家の一人になられた。
 たまたま、受付で販売している『澄川喜一 ーシンプル・イズ・ビューティフル』(これは2015年7月に島根県石見美術館の開館10周年の特別展の図録)を購入して、読みながら会場を一巡すると、時系列的にその作品をよく理解できて、有意義である。しばらく、やすらぎの空間で時間を忘れる。市民の多くの皆さんが足を運ばれるとよいがなあと思います。
 ところで、東京芸術大学の学長が、日本の文化芸術の代表者として、いかにその権威が高いかを象徴するものとして、私が一つの感懐をもって眺めているいるのが、錦帯橋の上手の河川敷に作品「石の翼」が設置されていることだ。
 錦帯橋は名勝として国指定文化財となっている。横山の土手を見ると、その中央に名勝としての境界線が引かれている。従って記念碑やその他の設置物はすべて横山側の斜面に作られている。文化庁が境界内に例外として設置をみとめているのはただ一つである。
 最後に、錦帯橋の世界遺産指定へ向けての運動も最近少し盛り上がって来たのは喜ばしい。最近色々なものを読んでいると、これからの観光は一人、あるいは家族、あるいはグループでゆっくり広範囲に旅しながら歴史的遺産や風景、あるいは野鳥や植物・昆虫を眺めながら旅するようになろうとしている。
 岩国市の行政当局などが、錦川をさかのぼり島根県に入り、吉賀町から益田に至る、山陽と山陰を結ぶ観光ルートの策定など模索したらどうだろう。歴史的遺物や自然地理的風景など興味の湧くものがたくさんある。澄川喜一先生の存在もおおいに活用ができるはずである。21世紀の社会構造の変化の中で山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県が単独でやっていくには財政が持たないのは時間の問題であると、私は思っている。
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